お願いします…。 そういう麗音は恥ずかしそうだった。 遅れて意味を理解した涼音も、かーっと顔が熱くなる。 そういう意味か……! そう言えば、最初にプロポーズしてしまったために肝心な言葉を曖昧にしてしまったかもしれない。 ――決めた。麗音を不安にさせないために、じゃない。自分のために。 この言葉は、この一生で麗音にしか言わない。 みんなと違う気持ちで思っているのからでもあるけれど。 麗音にしか、向けられない気持ちを言葉にするから。