「もう少し頑張って、麗音が家を出られるようにする。……麗音は、家を出たいんだろう?」 麗音は迷うような間を空けた。 「………うん。でも兄貴、無理なことは――」 「だったら頑張れる。僕はね、麗音。たぶん優しくはないよ。 麗音だけが僕に笑ってくれるから、安心していたんだ。 あの家で僕に笑顔を見せてくれるのは、お前だけだから」 「………」 涼音は横目に麗音を見た。 (同じだったんだ)