月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】



「もう少し頑張って、麗音が家を出られるようにする。……麗音は、家を出たいんだろう?」
 



麗音は迷うような間を空けた。




「………うん。でも兄貴、無理なことは――」



「だったら頑張れる。僕はね、麗音。たぶん優しくはないよ。

麗音だけが僕に笑ってくれるから、安心していたんだ。

あの家で僕に笑顔を見せてくれるのは、お前だけだから」



「………」
 



涼音は横目に麗音を見た。



(同じだったんだ)