月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】



「……麗音と友達を辞めろと?」



「そこまでは言いません。

ただ、頻繁に麗音が涼音さんの家に行ったり、そういうことをするとうちの連中は涼音さんに、涼音さんのご家族に何をするかわからないんです。

……特に、双児(ふたご)の妹は昔体質なんです。

自分たちを偉いとか、そういう風に思い込んでいる。

父から言われたら、涼音さんに危害を加えることを、実行してしまう危険がある」




うつむき気味な空緒の口から滑る現実。




それが理由か。



麗音が大事にする涼音だから、若月の家からは遠くにいてほしい。




……涼音が傷つけば、麗音も傷付くとわかるから、兄心で言っているのだろう。




苦しそうな空緒に対して、涼音の答えは簡単だった。



「辞めませんけど」