「はーい。そもそも俺、頭悪ぃからそんな難しい話わかんねえし、誰にも言わねえし」 「あ、ありがとう……」 麗音は思わず礼を言っていた。 ありがとうなんて言うのも変な話だけれど……素直に口がそう言ったから、それでいいことにする。 「――景周師匠」 「何だ馬鹿弟子」 一度保冷剤を置き、身体の前に両手をつく。 多透が景周に向かって頭を下げた。 「麗音と、闘わせてください」 「………」 「えっ」 「タスク――」 多透は景周だけを見、表情を揺らがせない。