そんな淋しいことを、朗らかに言う麗音。 そんな綺麗な名前をもらっていて、それなのに―― 「ケータイ!」 「? 携帯?」 「持ってる? ケータイ電話」 麗音は一度大きく瞬いた。 開いた瞳には、月明かりを受けた涼音しかいない。 「あ、うん。……アド交換する?」 「するっ。ちょっと待ってっ」 涼音は鞄をひっくり返して携帯電話を探す。 麗音は、今までの印象と違って豪快だなーと眺めていた。 ――麗音は、涼音が逃げて来てくれればいいと願っていた。