月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】



「あ、じゃなくて。俺、父親の正妻の子じゃないんだ。

浮気相手の子。

ほら、田舎ってそういう話流れやすいじゃん? 

ついでにうちが地主みたいなでっかい家で、同じ小学校でも中学校でも、

地元のヤツらばっかだから、あの子とは仲良くしちゃいけませんって環境だったんだ。

だから友達とかいなくて」



「なにそれ……わ、私なんかよりずっと――」
 



非道い目に遭ってるじゃない――
 



口はそう動こうとしたけれど、それでは何か違う気がした。





「――……私なんかより、ずっと淋しい思いしてるじゃない……」




「うん。だから涼音が友達っての、すげえ嬉しい」