少し沈んでしまった空気を追い払うように、涼音が言った。 麗音も首肯する。 せっかくの涼音と二人だけの休日。 重い話は麗音から一つしてしまったし、涼音も一叶も気にするなというのだ。 多透のことは気にしないでおこう。 (……練習気合い入れよ) 麗音の対多透の心がけとしては、それが一番いいはずだ。