月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】



「油じゃないよ。名前。小学校の馴染みでね。

一叶って名前で、みんな『いっと』って呼んでるの。タスクは、いっとと一番仲いいヤツ」



「そいつらは、青葉中にいないのか?」



「いない。小学校卒業で、二つに中学校ばらけちゃった。青葉と中土(なかつち)」



「……それは、淋しいな」



「うん。淋しい。

……あいつらがいたら、誰にシカトされても大丈夫って、本気で思えるから」
 



大丈夫だったんだ。




想い出を分かち合っていた、つい最近までは。
 




涼音は唇を噛んだ。