あの日涼音は、「頑張れる」と言って笑った。 同じだ。……自分も。 明確な解決策なんてなくても。 「……ありがとう、涼音」 一緒に考えてくれて、大事に扱ってくれる。 大事だと、言ってくれる。 手を握ってくれる。 そんな人が一人でもいれば、絶望の淵だろうが深淵の闇だろうが―― 「頑張れる。俺も」 あたたかな手を、握り返した。