「そう。本妻の。あと、兄貴と俺の間に、本妻腹の双児の姉妹がいる。こいつらは本当に陰険ですげー嫌い」 苦々しげに吐いた言葉に、涼音は少し引っかかった。 「お兄さんのこと、『兄貴』って呼んでるの?」 麗音は少しだけ首を傾げた。 見破られたか、みたいな顔をする。 「うん。兄貴はすき。俺にも優しい、いい人。……でも身体が弱い」 「身体が……」 弱いということは、もしかして……