この応答は、声に出してはいけない気がしたので、麗音は黙っていた。
確か涼音の母は……で、妹の梨麻は……だ。
「莉々は結婚せずに涼音を産んだし、梨麻は梨麻で不良みたいな輩と駆け落ち同然で結婚したと思ったら一歳に満たない息子連れて帰ってくるし……
なあ麗音、私はどうしたらよかったんだろうか……なあ…」
「え、と……」
(ご、ご老人から人生相談されてしまった……)
どうする。
話題を変えるか。
麗音も、恐らく齢六十を超えるようなご老人の相談に応えられる自信はない。
そんな人生経験豊富じゃない。
話題を変えることにした。
「り、涼音はその、柔道とかやってるんですか?」



