月下美人ー親友以上恋人未満は、運命じゃない二人ー【完】



そわそわしていた空気は、麗音たちを見る主に女子生徒のものだった。
 


いきなりの登場に、苺花が焦ったように涼音と麗音を見比べた。



麗音は、涼音いじめの一因であるのだ。



その麗音が突然現れ――「涼音涼音」と連呼している。



涼音の腕に力がこもった。



「黙れ馬鹿者!」
「痛っ!」
 


スコーンとテニスボールサイズの、おもちゃのバスケボールが麗音の額にヒットした。



涼音のスクール鞄についているマスコットの一つ。




「ちょ、涼音!」



「一昨日の今日で来るかお前! 私のことは全部話しただろうが!」




苺花が慌てて止めようとするが、涼音は怒鳴りつけた。