懐中電灯が近くに置かれ、ぼやっとだが少年の顔が見える。 夜目にもわかる。 かなり整った容姿だ。 「制服、青葉中? 俺、高河(こうが)中の二年」 「あ、私も二年」 明るい調子で訊かれて、反射的に答えてしまった。 「同い年? 年上かと思った」 「いや、学校わかってるなら一学年違うだけじゃん」 「そらそーだな」 ははっと、少年が笑った。 涼音は少年の方が年上かと思った。 はっきりとは見えないが、容貌や背丈からそう思っていた。