記憶喪失は、いつかは思い出すもの。
俺はそれを待っている。
思い出すように。
俺が、総長室のベッドに下ろすと紀優が半目になって喋った。
紀「・・久しぶり。辰喜」
辰「!?」
まさか、幹部室へ・・入ったから?
総長室に入ったから?
総長室と幹部室には俺らの居場所。
つまり、思い出が詰まっている場所。
でも、此処が総長室とは半目の紀優には分からないはず。
紀「・・総長室、掃除してくれたんだ?・・私は・・此処にはいてはいけないのに」
辰「!?紀優、紀優の居場所はこれからも此処だけ。だから居てはいけない場所じゃないよ」
紀「・・・・・。辰喜、優しいね。下っ端も優しい。・・皆は優しすぎるくらい。」
辰「・・・それは紀優だから皆優しいんだよ」
紀「ハハ。・・でも、もう少し箱の中に居るよ。」
辰「・・・箱?」
紀「・・そう。私の心の奥に箱があるの。それは記憶の一部が入ってる。」
辰「・・それが浪駕の記憶?」


