<完>孤独な姫さんは世界一の総長 上







記憶喪失は、いつかは思い出すもの。





俺はそれを待っている。





思い出すように。





俺が、総長室のベッドに下ろすと紀優が半目になって喋った。




紀「・・久しぶり。辰喜」




辰「!?」




まさか、幹部室へ・・入ったから?



総長室に入ったから?




総長室と幹部室には俺らの居場所。




つまり、思い出が詰まっている場所。




でも、此処が総長室とは半目の紀優には分からないはず。




紀「・・総長室、掃除してくれたんだ?・・私は・・此処にはいてはいけないのに」




辰「!?紀優、紀優の居場所はこれからも此処だけ。だから居てはいけない場所じゃないよ」




紀「・・・・・。辰喜、優しいね。下っ端も優しい。・・皆は優しすぎるくらい。」




辰「・・・それは紀優だから皆優しいんだよ」




紀「ハハ。・・でも、もう少し箱の中に居るよ。」




辰「・・・箱?」




紀「・・そう。私の心の奥に箱があるの。それは記憶の一部が入ってる。」




辰「・・それが浪駕の記憶?」