復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

「それで、おばさんには話したの?」

杏奈がきくと、勇吾は首を横にふった。

「まだだよ。夜勤だったし、急に見せたら、びっくりして倒れるかと思って。
300万あったら、学費の足しになるよなっ」

勇吾のはしゃぐ顔を見て、杏奈もうれしくなった。

「では、願いが叶った池上くんには、次に幸せを分ける相手を選んでもらうわ」

光子が言うと、勇吾がスッと真面目な顔になった。

「それなんだけど……おれは一花に幸せを分けたいと考えている」

「水谷さんに⁉︎」

杏奈は思わず、叫んでいた。
勇吾が一花を好きというダメ押しのような物に思えたからだ。
恋人である一花に、幸せを分けたいというのは、当たり前の感情だろう。

「一花だと、なにかいけないのか?」

勇吾が、不安そうにきいてきたので、杏奈はしどろもどろになった。

「あ、いやその……水谷さんって、山根さんのこといじめたりしてたから……山根さんは、いいのかなと思って」

とっさに思いついたことを、それらしく言うと、勇吾が、ハッとした顔をした。
確かに、光子がいいとは言わないかもしれないと、考えたようだ。