翌朝。
杏奈はマイページから、読者数を確認する。

読者数はすでに2000人近くまでに増えていた。
ファンの数も、感想欄のコメントも右肩上がりだ。

杏奈は朝から清々しい気分だった。
そういえば、勇吾の願いはどうなったんだろう。

学校へ行くため、自宅を出たとき、勇吾の家を見た。
願いが叶ったかどうか、ききたくて、ウズウズしたが、学校で会ったときに、きこうと思った。

杏奈は教室で、勇吾が来るのを待っていた。だが、勇吾が登校してきたのは、ホームルームが始まってからだった。

「池上くん、遅刻です……」

担任の白石が、蚊の鳴くような声で言い、出席簿に書き込む。

一瞬、勇吾と目があった。
うれしそうに、口角をあげている。

きっと願いが叶ったんだ!
ああ、早く話をききたい。

杏奈の胸は喜びで、いっぱいだった。