復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

すると、白髪頭の男性が、ガッと力強く勇吾の両肩をつかんできた。

「君が拾ってくれたのですか。なんとお礼を言ってよいのか……」

「はあ……」と勇吾はとまどっていた。

一体なぜ、あんなボロボロの腕時計が見つかっただけで、こんなに興奮しているのか、さっぱりわからない。

「申し遅れました。私、こういう者です」

白髪頭の男性が、胸ポケットから取り出した名刺を、勇吾にわたしてきた。
名刺なんてもらうのは、もちろん初めてだった。

【佐山喜一 SAYAMA代表取締役】

のぞきこんできた警察官が、ええっ、と大声をあげる。

「SAYAMAってあの、自動車会社の佐山ですか?」

佐山とは、日本で1番大きな自動車会社だ。
代表取締役ってことは、この人は社長ということか、と勇吾は名刺と見比べていた。

「ええ、そうです。この時計は佐山グループを一代で築きあげた私の泣き祖父が残した形見の品です。
祖父は、いつもこの腕時計をして、仕事をしており、ゆずってもらってから、普段は大事に保管してあるんですが、今日は社運をかけたプロジェクトがあり、お守り代わりにポケットに入れ、日課のジョギングをしていたんです」

佐山が、ボロボロの腕時計を指先でそっとなでる。