復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

しかし、今の夢ヶ丘高校の生徒は、全員黒髪が当たり前。
女子はスカートはひざ下、男子はシャツをズボンに入れるなど、色々と校則が細かくなっている。
そのおかげか、普通の生徒たちも集まるようになり、今や夢ヶ丘高校で不良は絶滅危惧種となりつつあった。

公立高校に落ちた杏奈は、家からも近く、最近真面目な生徒が増えている夢ヶ丘高校を選び、入学した……というのは、両親たちへの建前だ。

本当は、勇吾が夢ヶ丘高校へ行くと勇吾の母にきいたからだった。

変わってしまった勇吾を追いかけてなんの意味があるのだろう、とその時は葛藤していた。
だけど、幼稚園からずっと同じクラスだった縁をここで終わらせてしまったら、もう2度と勇吾と話せないような気がしていた。

夢ヶ丘高校に入学し、勇吾と同じクラスになれたときは、素直にうれしかった。
勇吾は、杏奈なんていないようにふるまっていたが。

教室に入ると、杏奈は通学カバンから教科書一式を取り出し、机に入れていた。

「石森さん、おはよー」

前の席の江口愛子が、登校してきた。

「おはよう」と杏奈は答える。

愛子は通学カバンを机に置くと、グループの女子の元へ向かった。
杏奈はそのまま席につき、携帯電話を取り出した。

杏奈はクラスの女子たちと日常会話程度のことはするが、特定のグループに入ってはいなかった。
人見知りの杏奈は、誰かが話しかけてきてくれるのを待っていたのだが、その間にグループができあがってしまい、入りそびれていた。