チャーハンの味付けが少し濃かったせいだろうか。
なんだか、炭酸でも飲んでスカッとした気分になりたくて、勇吾はコンビニへ行くことにした。

家を出て、門を閉めていると、向いの杏奈の家から、楽しそうな笑い声が、かすかにきこえてきた。

不良のグループに入り、杏奈と疎遠になってしまっていたが、以前のように話すことができて、本当によかったと、思いながら勇吾は歩く。

高校で、同じクラスになれた時、本当はうれしかったが、長い間、杏奈と話しておらず、話すキッカケがつかめなかった。

杏奈は、グループに入れず、ひとりでいることが、多く、いつも気になっていた。もし、杏奈に手を出そうとする奴がいたら、守ろうと心に決めていた。

しかし、今日大切な話があるから、と呼び出されたのに、山根がいたのには正直がっかりした。
本当は杏奈が告白でもしてくるんじゃないかと思っていたのだ。

あやうく、杏奈本人の前で、てっきり告白かと思った、と言いそうになって、顔が熱くなってしまったことを思い出す。

久しぶりに話した杏奈は、相変わらず泣き虫だった。
小さいころと変わらない笑顔の杏奈と話していると、やっぱり心が安らいだ。