「勇吾……」

ふたりの間にあった、見えない氷の壁が、ゆっくりと溶けていく。

それから、杏奈と勇吾は、久しぶりに思い出話をして、家へと返った。

もしかしたら、これもマリア様のおかげかもしれない、と杏奈は心の中で感謝していた。