勇吾は、難しい顔をして、茶色く色落ちしつつある頭をかいていた。
勇吾は、小さくうなずくと、席に座った。そして10円玉に、人差し指を置く。
杏奈は、ただうれしかった。
これで勇吾も幸せになれる。
なにより、杏奈の気持ちを受け入れてくれたことに、胸が熱くなってきた。
「それでは、私のあとに続いて、言ってください。マリア様、マリア様、どうかおいで下さい……」
「マリア様、マリア様……」
光子の言葉をきき、勇吾が唱える。
言い終えた勇吾の顔色が変わった。
ズズズ……と10円玉が、動きだしたからだ。
勇吾の目が釘付けになっている。
「マリア様が降臨されたのよ」
光子が、優しくささやいた。
【ワタクシはマリア。ねがいをいいなさい】
10円玉が、そう示した。
勇吾は、ただただおどろいている。
あれ……?
杏奈は指先に、トゲが刺さったような小さな違和感を覚えた。
「さあ、願いごとと、すべてを告白するのよ!」
光子に促された勇吾が、しゃべりだしたので、すぐに忘れてしまった。
勇吾は、小さくうなずくと、席に座った。そして10円玉に、人差し指を置く。
杏奈は、ただうれしかった。
これで勇吾も幸せになれる。
なにより、杏奈の気持ちを受け入れてくれたことに、胸が熱くなってきた。
「それでは、私のあとに続いて、言ってください。マリア様、マリア様、どうかおいで下さい……」
「マリア様、マリア様……」
光子の言葉をきき、勇吾が唱える。
言い終えた勇吾の顔色が変わった。
ズズズ……と10円玉が、動きだしたからだ。
勇吾の目が釘付けになっている。
「マリア様が降臨されたのよ」
光子が、優しくささやいた。
【ワタクシはマリア。ねがいをいいなさい】
10円玉が、そう示した。
勇吾は、ただただおどろいている。
あれ……?
杏奈は指先に、トゲが刺さったような小さな違和感を覚えた。
「さあ、願いごとと、すべてを告白するのよ!」
光子に促された勇吾が、しゃべりだしたので、すぐに忘れてしまった。

