復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

勇吾は、難しい顔をして、茶色く色落ちしつつある頭をかいていた。

勇吾は、小さくうなずくと、席に座った。そして10円玉に、人差し指を置く。

杏奈は、ただうれしかった。
これで勇吾も幸せになれる。
なにより、杏奈の気持ちを受け入れてくれたことに、胸が熱くなってきた。

「それでは、私のあとに続いて、言ってください。マリア様、マリア様、どうかおいで下さい……」

「マリア様、マリア様……」

光子の言葉をきき、勇吾が唱える。

言い終えた勇吾の顔色が変わった。
ズズズ……と10円玉が、動きだしたからだ。
勇吾の目が釘付けになっている。

「マリア様が降臨されたのよ」

光子が、優しくささやいた。

【ワタクシはマリア。ねがいをいいなさい】

10円玉が、そう示した。
勇吾は、ただただおどろいている。

あれ……?
杏奈は指先に、トゲが刺さったような小さな違和感を覚えた。

「さあ、願いごとと、すべてを告白するのよ!」

光子に促された勇吾が、しゃべりだしたので、すぐに忘れてしまった。