復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

翌朝、睡眠不足の杏奈は、大あくびをして、夢ヶ丘高校へ向かっていた。ちなみに徒歩で通っている。

なんとか遅刻は免れそうだが、眠くてたまらない。
しかも新学期の今日から、いきなり6時間授業なので、勘弁してよ、と思っていた。

クーラーに慣れきっていた身体に、まだ夏を引きずった日差しが、容赦なく照りつけ、体力とやる気をじりじり奪っていく。

校門前には、ジャージを着た体育教師の春山がうでを組んで立っていた。
少ない髪は、すべて白髪で老人のような見た目だが、まだ50代だときき、杏奈はおどろいたものだ。

無言で春山の横を通りすぎようとした男子生徒がいた。

「おい! あいさつをしろ!」

春山が脅すように怒鳴りつけたので、男子生徒は慌てて、「おはようございます」とあいさつをしていた。

「そこの女子、なんだそのスカートの短さは!」

登校してくる生徒たちを、門番のようにチェックしている。

夢ヶ丘高校には校則なんて存在しない、
と昔は有名だったらしい。

去年から、夢ヶ丘高校は、校則を厳しくして、さらに特進クラスという、成績優秀な生徒ばかりを集めたクラスを作り、授業料をすべて免除するという制度を設けていた。
夢ヶ丘高校が生まれ変わりました、というのが最近のキャッチコピーらしい。

杏奈が小学生のとき、たまに夢ヶ丘高校の制服を着た生徒を見かけることがあったが、金色の髪にピアス、おまけにタバコを吸っており、不良の見本のようだった。