「まあ、幸せを分ける相手と理由は、なんでもかまわないわ。今日の放課後に、教室に残るように、池上くんに伝えておいてね」
「えっ、私ひとりで、勇吾に話すの?」
「そうよ。マリア様のことや、十戒などの詳しいことは、使い人の私から説明するから。石森さんは、ただ呼び出すだけでいいのよ」
光子は、平然と言ってくる。
幼なじみとはいえ、見えない氷の壁がある今、勇吾に話しかけて、教室に残ってほしい、と頼むなんて、ハードルが高すぎる。
「もし、言えないなら、別の人にしてもいいのよ。池上くんじゃなくてもね」
光子が、イタズラっぽく微笑む。
白い歯を見せて笑っているまだ幼い勇吾が、頭に浮かぶ。
きっと願いが、叶えば、またあの笑顔を自分だけに向けてくれるに違いない。
「がんばって、勇吾に言ってみるよ」
杏奈は両方の拳を、握りしめて、決意した。
「えっ、私ひとりで、勇吾に話すの?」
「そうよ。マリア様のことや、十戒などの詳しいことは、使い人の私から説明するから。石森さんは、ただ呼び出すだけでいいのよ」
光子は、平然と言ってくる。
幼なじみとはいえ、見えない氷の壁がある今、勇吾に話しかけて、教室に残ってほしい、と頼むなんて、ハードルが高すぎる。
「もし、言えないなら、別の人にしてもいいのよ。池上くんじゃなくてもね」
光子が、イタズラっぽく微笑む。
白い歯を見せて笑っているまだ幼い勇吾が、頭に浮かぶ。
きっと願いが、叶えば、またあの笑顔を自分だけに向けてくれるに違いない。
「がんばって、勇吾に言ってみるよ」
杏奈は両方の拳を、握りしめて、決意した。

