復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

その時、杏奈は初めて気付いた。
勇吾のことが好きだということに。
それまで、あまりにも身近な存在だったので、そのことに気付いた杏奈は戸惑ってしまった。

――勇吾の特別な存在になりたい。
そんな気持ちも、ふつふつとわきあがってきていた。

杏奈はおこづかいをため、勇吾へのクリスマスプレゼントに雑貨屋でマグカップを買った。
サッカーボールやユニフォームが描かれたマグカップで、朝から晩までサッカーをしている勇吾にピッタリだと思ったからだ。

クリスマスの夕方、キレイにラッピングしてもらったプレゼントを手に、杏奈はドキドキしながら、勇吾の家のチャイムを押そうとしていた。

すると、勇吾が、ガチャリとドアを開けて出てきた。
まだチャイムを押していないのに、なんで、と杏奈はかたまってしまった。

ふたりは、無言で顔を見合わせていた。

「あの、これ……」

杏奈は勇気をふりしぼって、プレゼントを渡した。

「クリスマスプレゼント……だよ」

なんだか、照れくさくて、どんどん声が小さくなってしまう。

「おれに?」と勇吾がおどろいている。

顔が赤くなっていることが、ばれないように杏奈は何度もうなずいた。

にっ、と勇吾が白い歯を見せて笑った。小さいときから、変わらない笑い方。

「サンキュー。実はおれも杏奈に渡す物があるんだ」

そう言って、白い小さな封筒を差し出してきた。