今日も、朝から光子の周りには女子たちが集まっている。中には、他のクラスから来た女子も、ちらほらいた。

「山根さん、どうやってダイエットしたか教えて〜」
「お願い、私らも痩せて、山根さんみたいにキレイになりたいの」

少し前まで、からかわれている光子を、くすくす笑っていた女子たちが、懇願している。
まさに、手のひらを返すという表現が、ピッタリだと杏奈は思う。

「私は、おにぎりダイエットをしているわよ。1日におにぎりをひとつしか食べないの」

光子が、講師のように話すと、女子たちは、いっせいにうなずいて、熱心にメモをする者もいた。

「おにぎりに具は入れていいの?」「食べるのに1番効果的な時間はいつ?」と、さらに質問責めにあっている

その光景を、詩織が憎々しげに見ていた。光子が急に人気者になったので、面白くないと顔に書いてある。

光子のおにぎりダイエット方が、杏奈の耳にも入ってきたが、本当にそれだけで、あそこまで痩せられるのかと、疑問に感じていた。