放課後。
まだ体調のすぐれない母に代わって、家事をするため、勇吾は先に家へと帰った。
杏奈は図書室に用があると言い、教室に残っている。
ひとりきりになった教室で、ポケットから、あのマリア様の紙を取り出す。
一花の涙を吸い込んだ紙はよれよれになっていた。
――屋上から立ち去るとき、なんだか置いておくままにしてはいけない気がして、こっそり持ち帰っていた。
勇吾には言いそびれてしまったので、秘密にしている。
しかし、ゴミ箱に捨てるわけにもいかず、杏奈はどうしようか、と頭を悩ませていた。
そんな中、昨晩ひらめいたのだ。
元ある場所に戻すべきだ。
――そう、あの古ぼけたトイレに。
勇吾に話したら心配するのは目に見えていたので、黙っておいた。
これは最後までマリア様の紙を手にしていた自分の使命といえるかもしれない。
杏奈は夕日がしずむ中、体育館裏にあるあの古ぼけたトイレに足を踏み入れた。
手にはマリア様の紙と、体育館のそばに咲いていた黄色い花を手にしている。
立ち入り禁止のロープをまたいで、トイレの建物の中へ入った。
まだ体調のすぐれない母に代わって、家事をするため、勇吾は先に家へと帰った。
杏奈は図書室に用があると言い、教室に残っている。
ひとりきりになった教室で、ポケットから、あのマリア様の紙を取り出す。
一花の涙を吸い込んだ紙はよれよれになっていた。
――屋上から立ち去るとき、なんだか置いておくままにしてはいけない気がして、こっそり持ち帰っていた。
勇吾には言いそびれてしまったので、秘密にしている。
しかし、ゴミ箱に捨てるわけにもいかず、杏奈はどうしようか、と頭を悩ませていた。
そんな中、昨晩ひらめいたのだ。
元ある場所に戻すべきだ。
――そう、あの古ぼけたトイレに。
勇吾に話したら心配するのは目に見えていたので、黙っておいた。
これは最後までマリア様の紙を手にしていた自分の使命といえるかもしれない。
杏奈は夕日がしずむ中、体育館裏にあるあの古ぼけたトイレに足を踏み入れた。
手にはマリア様の紙と、体育館のそばに咲いていた黄色い花を手にしている。
立ち入り禁止のロープをまたいで、トイレの建物の中へ入った。

