明るいところならば、小さなカマを振り回す伸二郎の姿は、滑稽に見えたことだろう。
しかし、薄暗い夜の校舎で、おまけに丸腰の杏奈たちにとっては、死神のようで、恐怖でしかなかった。
「落ち着けって、ガリベンマン! おれら友達だろっ?」
蓮希が逃げまわりながら、とってつけたようなセリフを口にする。
「なにが友達だ! ガリベンマンなんてふざけたあだ名つけやがって! 知ってるんだぞ、勉強しているくせに特進に行けない、とぼくを陰で笑い者にしてただろ! 死ねっ死ねっ!」
逃げ惑っていた杏奈は、足がもつれて転んでしまった。
それを目ざとく見つけた伸二郎が、キエエエッ、と超音波のような声をあげ、頭上にカマをかかげて、走り寄って来る。
「まずはお前から殺してやる――」
「杏奈!!」
勇吾が大声たが、無情にもカマがふりおろされる――。
足が動かない……。
もうだめだ、と思った杏奈は、ぎゅうっと強く目を閉じた。
――その時、ドスンッ、という大きな音が、外からきこえてきた。
その音におどろいた伸二郎が、とっさにカマを振り下ろす手を止める。
しかし、薄暗い夜の校舎で、おまけに丸腰の杏奈たちにとっては、死神のようで、恐怖でしかなかった。
「落ち着けって、ガリベンマン! おれら友達だろっ?」
蓮希が逃げまわりながら、とってつけたようなセリフを口にする。
「なにが友達だ! ガリベンマンなんてふざけたあだ名つけやがって! 知ってるんだぞ、勉強しているくせに特進に行けない、とぼくを陰で笑い者にしてただろ! 死ねっ死ねっ!」
逃げ惑っていた杏奈は、足がもつれて転んでしまった。
それを目ざとく見つけた伸二郎が、キエエエッ、と超音波のような声をあげ、頭上にカマをかかげて、走り寄って来る。
「まずはお前から殺してやる――」
「杏奈!!」
勇吾が大声たが、無情にもカマがふりおろされる――。
足が動かない……。
もうだめだ、と思った杏奈は、ぎゅうっと強く目を閉じた。
――その時、ドスンッ、という大きな音が、外からきこえてきた。
その音におどろいた伸二郎が、とっさにカマを振り下ろす手を止める。

