最後に勇吾が、重い口を開いた。

「母さんが保証人になってしまって、500万円の借金を背負わされてしまった……」

――500万! あまりの金額の大きさに、杏奈は絶句した。

「300万は、この前の小切手でなんとかできそうだけど、残りをこれから返していかなければいけなくて……」

勇吾の握りしめた拳は、かすかに震えていた。

杏奈は、勇吾をそれ以上見ることができず、うつむいた。
そんな大変なことになっていたなんて、思いもしなかった。

どれもこれも、メールの頭に、嫉妬、憤怒、などがついており、さらに予言のような内容のメールで、それが現実となっている。

すると、みんなの携帯電話に送られてきたメールを見ていた伸二郎が、ぽつりとつぶやいた。

「暴食があれば……」

それをきいた杏奈は、ハッとして伸二郎を見た。

「暴食――それ、山根さんがおかしくなったときに言ってたものよ!」

「それじゃあ、間違いない。これは”七つの大罪”だ」

「ななつのたいざい? なんだそりゃ?」

蓮希が、首をかしげてきく。