頭の片隅で、まるで読み漁っていた恋愛小説のような展開だと思った。
小説で読んでいたときは、感動の涙を流していたが、実際自分がその立場になると、悲しみで胸が張り裂けて、狂ってしまいそうだった。

小説のようなステキな恋愛がしたい。
確かにそうマリア様に願ったが、こんな悲劇なんて、望んでいなかった。

響太の言う通り、付き合って、そんなに日数はたっていなかったが、すでに響太は詩織の一部で、いなくてはならない存在となっている。

お前らは呪われた……。
あは、あは、あは、あははははは……。
加えて、先ほどの不気味なメール。

これらが、すべて歪な鎖につながれているような気がしてたまらない。

詩織は、体を震わせながら、号泣していた。