蓮希は、学校を飛び出た直後は、背中に寒い物を感じていたが、にぎやかな繁華街に来ると、その楽観的な性格ゆえ、先ほどのことはすっかり忘れてしまった。

今日は、どんな女の子が声をかけてきてくれるかな~。
蓮希は、にやけ面で舌舐めずりをする。

マリア様に願いごとを叶えてもらってからは、苦労してナンパせずとも、向こうから声をかけてくる逆ナンパの嵐で、ほぼ毎日初対面の女の子たちと、簡単に肉体関係まで進んでいた。
それも、後腐れが一切ないものだ。

声をかけてくる女の子たちは、蓮希の記念すべき初体験の年上女性のように、心に隙間風がふいている。それを埋めてほしくて、無意識に蓮希に声をかけてくるようだった。
悩み事を適当にきいてやっていると、いつの間にかホテルへ行くことになるので、愉快でたまらない。

昨日なんて、モデルみたいにかわいいギャルが、声をかけてきて、10分足らずで、簡単に体の関係を結ぶことを許してくれた。確か、親とケンカして家出中とか言っていた。

まったく、最近の若い娘ときたら、けしからん、と親父のようなことを思いながら、傘をさしたまま、道行く女の子を品定めしていく。

すると、胸ポケットの携帯電話がメールを受信して、震えた。