一花は、帰るなり自室のベッドに寝転んでいた。制服を着替える気力もない。

お前らは呪われた……あれは一体なんだったのだろう。

それよりも、マリア様はもう願いを叶えてくれないのだろうか……。

今度こそ、ちゃんと願いたかったのに。今度こそ……。

一花は、大きなため息をつく。
気付くと、涙が頬を伝い落ちていた。

一花は、部屋の天井をひたすら見つめて、辛い記憶から、逃れようとしていた。


すると、雨音だけがきこえる部屋にメールの受信音が、立て続けに響き渡った。

寝転んだまま、枕元にあった携帯電話を開いてみると、地元メンバーで作ったグループに、新着メッセージが数件あった。

【きいたか? 直也先輩と、彼女のまどかさん、今日の夕方ごろに死んだんだってよ】

それを読んだ一花の心臓が、ドクンッと鳴った。
あのふたりが死んだ――。

しかし、バイク事故は手足の骨折くらいで、命に別条はないと言っていたのに……。