うう……と杏奈は頭をかかえた。

「違う、私は盗作なんてしていない!」

中学1年から、携帯電話を持ち、ネットをしていた杏奈だったが、姿の見えない相手からの誹謗中傷がこんなに恐ろしいものだとは思いもしなかった。

ひとつ、またひとつと非難のコメントが書きこまれていく。

ランキング1位になり、ようやく特集に選ばれ、書籍化の夢に近づいていたというのに……。

やっと手に入れた人気作家の地位だったが、心が持ちそうになく、作品を非公開にせざるおえない。
この炎上が落ち着くまで、息をひそめるしか方法は思いつかなかった。

杏奈は泣く泣く、優等生くんの裏の顔!?を非公開にした。
念のために甘々警報発令中!も非公開にしておく。公開しておくと、こちらに誹謗中傷のコメントが書きこまれると危惧したからだ。

体中の水分が涙になってしまったように、杏奈は号泣した。

「なんで、こんなことになっちゃったの……」

つぶやいた杏奈は、気付いた。
あのメールが届いてからだ。

そこで杏奈は、メールをもう1度読み返してみた。