7にんそろったぁ……。

どうも、あの最後の言葉が気がかりで、杏奈は早めに学校に登校した。
光子にもう1度きいてみようと思ったからだ。

教室に入ると、光子は席についており、なにやら分厚い本を読んでいる。

「山根さん、おはよう」

「あら、石森さん、おはよう。今日は早いのね」

本から視線をあげた光子が、いつも通りだったので、少し安心した。

「ねえ、昨日はマリア様は夢に出てきたの?」

「ええ」とうなずく、光子の表情が少し曇ったように見えた。

「マリア様は、なにか言ってたの?」

光子は、本を閉じた。

「それがね、しばらく幸せを分ける必要がないと、おっしゃってたの。
昨日の7人そろった、というのは、そういう意味みたい。理由を尋ねようと思ったんだけど、そのまま目が覚めてしまったの。
きっとマリア様も、立て続けに7人の願いを叶えたから、お疲れなのよ」

光子の言葉に、杏奈はあらためて安堵した。

そうだったんだ。
マリア様の中では、7人が区切りがいいのかな、と思う。