学校を出た蓮希は、はりきって繁華街へと向かった。
本当に願いが叶うんだろうか、という期待で胸が高鳴っている。

にぎやかな繁華街に到着した蓮希は、まずそこら辺を歩いていた女子高生ふたり組に声をかけてみた。

「ねえ、君らかわいいね~」

蓮希がいきなり話しかけると、ふたりは顔を見合わせていた。

「もし、ヒマならおれとカラオケにでも行かない?」

しかし、ふたり組は、クスクス笑い、「ごめんねー」とだけ言って、その場から去ってしまった。

なんだよ、たいした顔してねえくせに、おれの誘いを断りやがって。

蓮希は心の中で、悪態をつく。

しかし、声をかけても今のような調子では到底体の関係まで持ち込めそうにない。
今日がおれの生まれ変わる記念日だと思っていたのに。

焦った蓮希は、女なら誰かれかまわずに、手当たりしだいに声をかけたが、まさかの全滅だった。

ちくしょう! マリア様なんかインチキじゃねえか。

コンビニの前で、ふてくされて座り込む。
辺りが夜のように暗くなってきて、客を呼び込むための看板の光がまぶしい。

そろそろ帰るか……と蓮希は肩を落として歩いていた。