しかし、響太は、また詩織の手を握りしめてきた。

「あの、おれ、普段はチャラチャラしてなくて、自分でいうものなんだけど、結構真面目なほうなんだ。こんなこと言うのは本当に初めてだけど……君に一目惚れしたみたいなんだ!
このまま君とサヨナラしたくない。だから、おれと付き合ってほしい!」

響太の言葉に詩織は、おどろいたが、すぐに幸せの波が押し寄せてきた。

「私も、このまま、あなたとサヨナラしたくないと思ってたの! これからよろしくお願いします」

ドキドキしながら言うと、響太がはにかみながら、ぎゅっと抱きしめてくれた。

――運命的な出会いからの告白。
まさに小説みたいな恋の始まりだ。

これがマリア様の力……。

詩織は響太の胸でうっとりしながら、マリア様へ感謝していた。