復讐メッセージを送信しました。 〜ナナツノノロイ2〜

杏奈と同じくグループに入っていない女子も少ないがクラスにはいる。
そのひとりが山根光子だ。

杏奈は、ちらりと光子を見た。朝っぱらからカレーパンを無心にほうばっている。見ているだけで胸やけがしてきた。

光子のふたつ結びにされた長い黒髪と、肌は常に脂ぎっており、肩にはフケが落ちていた。
縦よりも横にサイズのある太めの体型をしており、いつも貪るようになにか食べている。

そのせいで、汚デブ、という見た目を直球にあらわしたあだ名をつけられていた。
正直、光子がもう少し身ギレイだったら、仲良くなりたいんだけど……と杏奈はため息をつく。
体型は仕方ないにしても、あの脂ぎった髪やらフケは清潔にすればいいだけの話なのに。

光子の後の席には、中沢詩織が座っていた。

詩織は手鏡をのぞきこんで、あご先で切りそろえられたボブヘアーを、手ぐしで直している。
その顔は、なんだか元気がない。

愛子たちのグループをそっと見たが、まるで詩織など初めから存在していなかったように、楽しそうに会話をしている。

やっぱり、権力交代が続いてるんだ、と杏奈は心の中で思った。

詩織は、この1年B組で1番人数が多いグループのリーダー的存在だった。
しかし、詩織は意地の悪い性格をしており、グループ内で上下関係を作りあげ、下の人間にはいじめまがいのことを繰り返していた。
詩織の性格の悪さは、キツネのような一重の目とツンと尖った鼻に色濃くにじみでている。