なんだろ・・・この傷は。
「ピーンポーン」
こんな朝早く・・・誰だ?
「ブーブーブー」
ふと聞こえたマナーモード音。
私のは部屋にあるから、アズミのかな?
テーブルの上に置かれた黒いスマホが震えているらしい。
しつこくインターフォンは鳴り響いているけど、私はスマホを手に取った。
【じっちゃん】
じっちゃんさん?
「もしもし・・・?」
『あ、アズミか?
悪いな朝早くに。
実はお前の親がユズちゃんの家に乗り込むとか言いだしたんだ。
学校にユズちゃんの住所を聞いてな』
へ!?
『お前の兄貴が気が付いていたらしいんだ。
ユズちゃんの家に行くところを!』
「それ本当ですか!?」
『その声・・・ユズちゃん!?』
「あ・・・ごめんなさい。
勝手に出てしまって・・・」
『構わんよ。
ユズちゃん、扉を決して開けてはならんからな。
気を付けて!』
「は・・・はい!」


