☆柚美side☆
頭をなでられほっとしたのか、私はそのまま寝てしまった。
気が付くと、朝の5時。
ベッドで寝ていないからか、体中が痛い。
なんか年寄りみたいだなぁ私。
「アズミ?」
桜田、もといアズミは、ソファーを頭にして寝ていた。
座るように寝ていて、器用だと思う。
「・・・可愛い」
閉じた瞳は睫毛が長く、前髪がかかっている。
邪魔じゃないのか?
・・・起きないから良いよね?
私はそっとアズミの長い前髪をなでた。
ぅわ・・・!
めちゃくちゃサラサラ。
艶々しているし・・・羨ましいわ。
ふと、私はアズミの右目の丁度長い前髪に隠れている眉毛に目がいった。
整えられている、綺麗な眉。
その眉の隅っこに、あったんだ。
綺麗な肌には似合わない、
深い切り傷に。


