「柚美の?
いつも柚美がお世話になっています。
柚美の兄のハルです。
この子たちは柚美の妹で」
「姉のイチゴですッ!」
「妹のリンゴだよッ!」
「こんなところで立ち話もなんですから。
どうぞお入りください。
汚いんですけどね」
ちょっ・・・お兄ちゃん!?
何アッサリ信じて入れてんの?
まぁお兄ちゃん、かなりのお人よしだからね。
人を信じることしか知らない、良い人。
「お邪魔します」
桜田は遠慮することもなく家に入る。
正確に言えば、妹たちが手を引いたって言うのがあるんだけど。
リビングはいつも以上に汚くて、散らかっている。
妹たちのおもちゃが散乱し、お兄ちゃんが大学で使う教科書やレポートたちが散らばっている。
「少しは片付けなさいな」
半ば呆れ気味に少しだけ片付け、桜田にお茶を淹れる。
妹たちは、桜田に興味津々らしい。
「桜田くん、どうして家に来たの?」
「・・・言って良いのか、柚美」
私からは言いづらいため、言ってもらう。


