長い間じっちゃんの店に居続けることは出来ないので、仕方なく俺は家に帰った。
やっぱり家には誰もいない。
まぁ・・・慣れたんだけど。
俺の家はマンション10階建ての8階だから、2階はない。
俺は玄関入ってすぐにある自室へ入り、鍵をかけた。
机に座り、真っ白な大きい紙を取り出す。
そこに思いつくまま歌詞を書いた。
俺は歌詞を考えることが好きだ。
それを歌を通して伝えることも。
教室の奴らは顔しか見ない馬鹿ばかりで、歌詞を書くため自分の世界に没頭するには良い環境だ。
勉強なんて授業聞いていてテストで良い点を取って提出物を出せば留年しない。
結構この世界、楽だと俺は思う。
なんて嘘。
楽じゃない、こんな世界。
消え去ることは簡単だけど。
生き返ることは難しい。
俺はそんな世界で歌う。
世界中の人が求める歌を。
誰かの心に届くように・・・。


