「宮田はどうやってその役になりきるんだ?」
「どうして、か・・・。
聞かれたことないからな・・・。
私はその台本を全部読み込んで、その話の中に意識をいれるようにしているよ。
自分をその役のキャラクターにしてね。
そうしたら自然と役になりきっているかな」
「凄いな、女優って」
「歌手も凄いよ」
・・・あ、そうだ!
「いつか私が出たドラマの主題歌、歌ってよ」
「お、それ良いな」
「約束ね!」
それまでに私が芸能界にいれば良いけど。
私が女優をやる期間は決めている。
妹たちが小学校を卒業するまでだ。
弟のフユが高校生になったらバイトをしてもらうから。
妹たちが卒業したら芸能界から引退しようと思っている。
妹たちは現在小学4年生。
あと・・・2年間。
長いように見えて・・・多分あっという間だ。
「・・・宮田?」
「ん?」
「まだ悩みでもあるのか?」
「ううん、何もないよ」


