「宮田さーん。先輩が呼んでいるよー」



先輩って、及川先輩のこと?

何の用だろう・・・?



言ってくれたクラスメイトにお礼を言い、廊下に出る。



「宮田さん、今日当番だから」

「え?今日ですか?」



確か次の当番は来週のはずだ。




「宮田さんと桜田くんのこの間の放送、評判良かったから。
放送委員のリクエストボックスに多くのリクエストが来てね。
また2人をよろしくお願いしますって。

放送委員長の僕としては、その願いを叶えたい。
だから頼みに来たんだ。

桜田くんも呼んでもらえる?」

「わかりました。
ちょっと待っててください」




私は1回教室へ戻り、背中を丸めながら本を読んでいる桜田に話しかけ、廊下へ呼び出した。



「桜田くん。実はねー・・・」



及川先輩が説明すると、桜田は頷いた。



「・・・わかりました・・・・・」



凄く小さな声だけど。

先輩は笑顔で答えた。

優しい人だなぁ・・・。