「・・・!?」
何これ、美味しい!
しょっぱくなくて、丁度良い。
こんなに美味しいラーメン、初めて食べた!
「美味しいです、これ!」
「だろ?
じっちゃんのラーメンは、俺が認めた味だからな」
・・・桜田って、どこか俺様?ってか上から目線?
「ユズちゃん」
そんなことを考えていた私を見たおじさんが、私を呼ぶ。
「アズミ、昔から好き嫌い多くて、あんまり食べられるもんがねぇんだ。
ラーメンをあげると、シナチク・ナルト・チャーシュー・醤油・わかめ・海苔・ネギ。
今言ったの全部嫌いだから、困ったもんだ」
そんなに嫌いで、ラーメンは食べられませんよ。
好き嫌い多すぎ!
「それなのに、俺のラーメンは食べられるんだ。
それぐらい、俺のラーメンは美味いってこと」
そういうことか・・・。
「確かに美味しいですもんね。
私もネギ嫌いなんで。
でも、このラーメンのネギは好きです。
スープがよくしみ込んでいて」
「嬉しいなぁ。ありがとうなユズちゃん」
私はサイン色紙に、【ネギ嫌いの私でも食べられたラーメンです】と書いて、渡した。


