丁度『明日へ』が流れ終わる。
うちの学校のお昼ご飯の時間は短く、10分ぐらいで次の授業へ行ってしまう。
『明日へ』は大体3分ぐらいだから、あと1曲は流せるかな。
「桜田。何か流したい曲とかある?」
「特に」
「じゃあまた私勝手に流すから」
「お好きにどーぞ」
私は鞄をあさり、再び『AZUMI』の曲を取り出し、デッキにセットした。
今度は『夢見て』だから、少しゆっくりめのバラード。
大体4分だから、丁度良いだろう。
〈続いての曲は、『AZUMI』の『夢見て』です〉
「俺は『AZUMI』良いとは思わねぇけどな」
「桜田の趣味は聞いていないし」
「・・・あっそ」
お弁当を食べ終えている桜田は、分厚い本を読み始めた。
私はやることがなく暇なので、窓から海を見る。
綺麗な青い海が音を立てていて、綺麗だ。
「海好きなのか?」
「うん!大好き!!」
「・・・そうか」
私は『夢見て』の音楽に合わせて体を揺らしながら、海を眺めた。


