「柚美、白状してもらうからね」

「何をだ、由布子」

「柚美が田宮ユズってことも、アズミくんがあの『AZUMI』ってことも、2人が名前で呼ぶような仲だってことも」



げぇ!全部ばれてやんの!!




「アズミくんも本とか読んでいないで、説明してよ」



由布子、アズミのこと散々地味男だと馬鹿にしていたくせに、普通に名前で呼んで気軽に話しかけているし。

私があいつらに連れて行かれた時、一体何があった?



「・・・何で俺まで?」



アズミは教室での地味男の姿でめんどくさそうにこっちへ来た。



「変装しても無駄だし。
真実を教えてもらおうかね?」



まるで探偵みたいに由布子はニヤリと笑う。

我が親友ながら、危ないわ。




「・・・ばれてんのなら良いや」



溜息をついたアズミは、髪を直し、眼鏡を外した。

途端に赤い瞳が見える。



「笠野の言う通り。俺は『AZUMI』だ」



由布子はふふんと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。

何もかもお見通しってわけね。