「・・・そっか」
俺は後ろの扉を開けた。
「ちょっ、桜田!どこへ行くの?」
慌てたように笠野が言う。
「どこって・・・。
決まってんだろ、体育倉庫だよ」
「は!?
あんたさっきの話聞いてた?
危険だよ!!」
「・・・あのさ」
俺はうっとおしい髪を直し、眼鏡を外した。
「俺なんかより、柚美の方が心配じゃねぇの?」
眼鏡を付けている理由。
それは『AZUMI』の証である赤い眼を見せないため。
眼鏡が外れている。
多分こいつらの目には、赤い眼をした俺が映っているはずだ。
「・・・さ、桜田・・・・?」
「安心しろ。
柚美には傷1つつけてこない」
俺はふっと笑うと、体育倉庫に向かった。


