するとクラスでも人気で、奥本とよくつるむ男子の1人がめんどくさそうに言った。




「あの兄弟、関わらない方が良いぞ」

「「どうして?」」

「あの兄弟強いし、武器を使うことも躊躇わねぇから。
あいつらに彼女を自殺に追い込まれた俺の友達いて、復讐を目的に逆らったことあるんだ。
そうしたら、あいつらによって全治1か月の怪我を負わされたんだ。

あの兄弟に逆らえる奴なんていねぇよ。
教師もあいつらには弱い。
多分兄の方が教師たちに嘘か秘密を暴露するとか言って、動けなくしているんだろ。
あの兄、ずる賢いからさ」

「でも、柚美が・・・!」



とうとう香坂が泣きだした。

笠野はそんな香坂を支える。



・・・柚美が、危ない。

そんな奴らに連れてかれて、

もし妊娠でもしたら・・・。




俺は歌詞を書く手をやめ、ノートを鞄にしまった。

見られると危険だから。



そして立ち上がる。

クラスの奴らが、一斉に俺を見る。



俺は構わず香坂に近づく。

滅多に話さねぇ俺が近づいたからか、香坂は泣くのをやめた。



「・・・柚美、どこにいる?」

「多分・・・体育倉庫って・・・。
だよね?由布子」

「うん・・・。
体育倉庫で女の子を襲うって聞いたことあるから」