「兄ちゃんはこの学校の先生の秘密を全部知っているんだよな。
その秘密をばらすぞと言えば、言いなりになるんだよな?」

「さすが勝也。
僕の弟だけあるね?」

「俺を馬鹿にするな。
兄ちゃんの今までの問題行動なんて、母ちゃんから聞いているよ」

「へぇ、あんな人でも俺の行動知っているんだ。
浮気ばかりしているから、知らないと思っていたよ」

「父ちゃんは知らねぇけどな。
あんな仕事人間が俺らの行動、いちいち監視していねぇし」

「あぁ・・・聞けば聞くほど、あいつら最低だね」

「それは俺も同感」



・・・こいつらの家、多分親離婚している。

先輩はお母さんに引き取られて、

奥本はお父さんに引き取られたんだ。

だから名字が違うのにも納得がいく。




「兄ちゃん、こいつ大人しいな」

「そりゃ僕らの会話聞いていれば、大人しくなるよ。
何されるか、馬鹿だけどわかっていると思うしね」

「へぇ。
馬鹿は馬鹿なりにやっているんだな。
馬鹿だから気が付かないと思っていたぜ」

「・・・馬鹿馬鹿うるさい」



黙って聞いていれば馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿・・・。

うるさいんだよっ!



「着いた」



先輩は使われていない体育倉庫を開けた。

中はほこりっぽい。