「宮田さんは、僕との方が付き合い長いの」

「俺の方が同じクラスだし」

「僕は勝也みたいに女たらしじゃないからね」

「じゃあ前に兄ちゃんが別れた女が転校した理由なんだよ」

「知らないね」

「とぼけるな。
兄ちゃんの元カノが転校した理由は妊娠が発覚したからだろ?
その上自分の子じゃないって言い張ってさ。
どっちが女たらしだよ」

「勝也には負けると思うけどね。
勝也は今まで何人の女に子どもを産ませたんだよ」

「知らねぇな。覚えてねぇよ」

「忘れたとは言わせないよ。
5人でしょ?」

「たった5人じゃねぇか。
兄ちゃんだって4人だろ?」

「人の彼女妊娠させて生まれた子だっているでしょ?」

「それは兄ちゃんもじゃねぇか」



なんなの・・・こいつらの会話。

聞いているだけでイライラしてきた!

最悪なんだけど!



いつの間にか集まってきたギャラリーの中にいる女の子たちも会話を聞いていたらしく、最低と言っている。

確かにそうだよね。



「兄ちゃんと話していると呆れてくるわ」

「それは僕の台詞。
ともかく、宮田さんは僕がもらうから」

「それだけは許さねぇぜ?」



グイッと奥本が手を引き、私の体が揺らぐ。

それを先輩が引くものだから、私の体は揺れてばかり。




離せよぉ・・・!