「下の名前、教えてくれますか?」

「うん。勝也なんだけど」



・・・勝也?

勝也って・・・奥本?



「勝也って、名字奥本ですか?」

「うん」



ええええぇぇぇぇぇえええ!?

奥本のお兄さんが先輩!?

性格違いすぎんだろ!!



「兄ちゃん?」

「勝也!」



後ろから聞こえ、振り向くと。

奥本が立っていた。



「どうした?」

「勝也に言いたいことがあってね」

「何だ?」



先輩はにこやかに微笑むと、私の肩を抑えて、自分の方へ寄せた。



「宮田さんに手を出さないでもらえるかな?」

「は?何でだよ」

「宮田さんは僕の彼女だから」

「はぁ?ふざけんなよ兄ちゃん。
宮田は俺の彼女だから。
そっちこそ手ぇ出すなよな?」



私、あなたたちのどちらの彼女でもないんですけど?